都会のオアシス、夜の不忍池をぶら散歩
・暑すぎる日中から夜のぶらりへ
熱中症を避け、未だ暑さが残る夜の春日通りを湯島天神の明かりを頼りになんて言ったのは石川啄木さんの時代で、今や明るい切通坂を下り昌平橋通りと交差する天神下へ、さらに交差点を左に曲がると不忍通りにでます。ちなみに、不忍通りは上野公園の不忍池に由来し、文京区目白台2丁目から台東区上野公園交差点付近までを通称する通りです。目前の池之端1丁目の交差点を渡ると不忍池の湯島口に突き当たります。
・夜の不忍池
「電力需給逼迫注意報」の節電要請中でもあり、辨天堂のライトアップがなくやや暗めでしたが、園内にはワンちゃんの散歩やらランニングをする人など、意外と大勢の人で賑わっていました。都会のオアシスとして有名な上野公園内にある不忍池は、上野台地と本郷台地の間にある地名が忍ケ丘と呼ばれていたことに由来します。もともとは天然の池で形も現在の物とはかなり違っていたようです。池の北側にある文京区根津と台東区谷中との境に流れていた藍染川から不忍池に注がれていました。藍染川は、駒込あたりから発する谷戸川の下流でその地域では染物が盛んにおこなわれていたことから呼ばれていたそうです。現在では、流出入河川が無いため、湧出地下水を人工的に汲み上げ放流していることより水量の安定を見ています。池は「蓮池」「ボート池」「カワウの池」で構成されています。さて、湯島口から左に進むとボート池と蓮池の間の遊歩道が右側に見えてきます。辨天堂の明かりがないので、此処こそ石川啄木さんではありませんが、タワーマンションの明かりをたよりに先に進みます。日中の暑さに比べれば、池から吹く心地よい風は気分をリフレッシュさせてくれました。まもなくボート乗り場入口から右側に進むと辨天堂の裏手にでます。少々低い通路を通り辨天門へ進むと動物園通りの先には清水観音堂に向かう長い石段が見えてきます。今宵は、右に曲がり下町風俗資料館方向へ、当たり前ですが16時半で閉館です。1980年に開館した資料館(台東区立の博物館)は、江戸時代から昭和中期ほどの下町文化的資料を多く蒐集しています。阿助さんにとってはノスタルジーな道具に出会える空間です。おや!不夜城の灯りから蓮の蕾が・・・
・帰り道
精養軒の明かりを頼りに、去年撮影した位置で一枚!湯島口に戻り信号を渡れば地下鉄千代田線の「湯島駅」です。夜の不忍で気分は「いとをかし」今晩はこれまで。