川風に戯れながら、台東区今戸一丁目をぶら散歩
・台東区ぐるーりめぐりん
上野駅入谷口から歩道に出ると、右側にバス停が見え真向かいは日本最古の鉄道学校で有名な岩倉高校があります。台東区には区内を循環するコミュニティーバス「めぐりん」があり5路線が運行しています。本日は、ここ「上野駅入谷口」バス停から「ぐるーりめぐりん」に乗車します。因みに運賃は100円で20分間隔で運行しています。1周33の停車場があり、80分程でぐるーりめぐりんできます。まずは入谷口通りから「根岸三丁目」に進みます。かつて、上野の崖の下にあり海が入り込んでいたこの地域には、木の根のような岸が続いていたことが地名になったようです。そこからバスは金杉通りに入り下谷界隈に入ります。「下谷三丁目」には三島神社があります。本社は台東区寿4丁目にあることから「下谷の三島様」と呼ばれています。火除のお稲荷さんとは別に運気、売上などが「落ちない」でご利益があるパワースポットとして有名な神社です。さらに国際通りに入り竜泉町に進むと「一葉記念館」の停留所があります。記念館は竜泉3丁目ですが小説家樋口一葉が暮らしていた明治26年頃には龍泉寺町と呼ばれていました。この頃の一葉は、この町で荒物駄菓子屋店を営みながら、母と妹を養うために生活をしていました。小説「たけくらべ」が生まれた地でもあります。引き続き、コミュニティーバスは国際通りから昭和通り・明治通り・日光街道と交通の要所となる大関横丁を右折します。ここは荒川区南千住に接する「三ノ輪駅」になります。地下鉄日比谷線の三ノ輪駅近くに停留所はありますが、ほか都電荒川線の終点地三ノ輪橋駅が昭和通り方向にあり、路面電車に乗り換えて北区王子や新宿区早稲田へ行くことが可能です。さらに明治通りから土手通りに入り「吉原大門」を通ります。吉原は、江戸時代幕府によって公認された遊郭のひとつです。住所は日本堤1丁目になります。名前の由来を明確に特定するものはありませんが、もともとこの地域は隅田川の氾濫原に当たり、陸化するのには難しい地域であったようです。ただし江戸時代には幕府の治水事業により堤防が築かれています。土手八丁・吉原土手と呼ばれ、当時遊びに通う江戸っ子たちで賑わったそうです。バスはさらに「清川一丁目」から再び明治通りに戻り「橋場二丁目」へと進みます。目の前には隅田川にかかる白鬚橋が見えてきました。現在の橋は、昭和6年8月に竣工した2代目の橋です。西岸は荒川区南千住と台東区橋場二丁目を分け、東岸は墨田区堤通一丁目と二丁目を分かつ橋となります。名前の由来は、近隣にある白鬚神社の名がつけられています。白鬚橋西詰交差点を右折し、隅田川のほぼ横を通る橋場通りに入ります。まもなくして「桜橋中学校前」で下車し今戸界隈に到着しました。今戸は、台東区の北東部に位置します。かつて当地には、「今戸焼」といった素焼きおよび楽焼の陶磁器が盛んに製造されています。江戸時代から明治時代にかけて、日用雑器から火鉢・瓦等を生産していました。なかでも、今戸焼の招き猫は浅草界隈の名物として知られています。
・隅田川テラス
バス停から橋場通りを先へ進むと石門の出入口があります。隅田公園案内図の標示板があり奥は野球場です。その野球場脇を先に進むと隅田川沿いの防潮提があり、階段を上ると目の前には大画面の隅田川と東京スカイツリーがお出ましです。周りには建物もなく全体をよく見ることが出来ます。テラスに降りる階段から護岸へ、川風が心地よくひとまずベンチでひと休みです。隅田川テラスでは今戸地区のほか両国地区と浜町地区に「隅田川テラスギャラリー」を設置し、地域の文化や街並みを展示しています。今戸地区では浅草・今戸地域の文化や街並みの錦絵を展示しています。江戸東京博物館所蔵の錦絵を防潮堤の壁面で鑑賞することが出来ます。さらに下流方向へ進むと石標識があり河口まで二里とのこと、チョイと無理!のぶらり散歩です。また、護岸のフェンスには江戸情緒をしっかり取り入れた粋なデザインに注目です。まもなくすると桜橋に出ました。隅田川唯一の歩行者専用橋で全体がX字になっているのが特徴です。日本さくら名称100選に選定されている隅田川両岸のさくらは、江戸っ子たち同様花見シーズンには大賑わいです。すぐそばに水上バスの桜橋船着場があります。
・おわりに
今戸一丁目から隅田公園を通り浅草へ、川風に戯れながら来年の隅田川花火を楽しみに、ぶらりぶらりとしすぎました。本日はここまで。